建物が立つ前にはこの敷地は雑木林であったようです。敷地の北側のお宅にとっては、南側に家が建ち今までとはまったく違った状況がつくりだされたことになったわけです。
窓のガラスに対する設計上の考え方は、外部からのぞかれると困る浴室や洗面、トイレ以外は原則として透明にしようと考えています。少しでも視線で感じる広がりを持たせたいからです。しかし、こちらからの眺めがあまりにもよくない、隣地の建物の窓が近いときと判断したときには不透明の型ガラスにすることもあります。
今回は北に面する建物の窓はこちらの意図としては裏の建物もある程度の距離感があったので、透明と考えていました。しかし、裏のお宅の側からしてみれば、まったく環境が変わり、いままで想定もしていなかった隣人の視線を感じる可能性があることにたいへん懸念されたようで、現場に対してその旨の打診がありました。こちらとすれば、そんなつもりはないのにという思いはあっても先方の立場を考えると解決策を考えることが望まれました。
対応策としては、ガラスの変更ということもありましたが、引き違いでは開ければ見えるということで、完全な目隠しを設置するということで対応させてもらうことになりました。
(民法上は、境界線より1m未満の距離において、他人の宅地を観望できる窓または縁側を設ける者は、目隠しをつけることを要すと定めています。・・・距離はクリアしていてもそれだけではうまくいくものでもありません)
北に面する引き違い窓3箇所に木製の目隠しを設けました。

関西の辻さんがまたまたお手伝いしてくれました。
通風に関しては大きな問題とはなりませんでしたが、開口部分を塞いだ分の採光はだいぶカットされてしまうことになりました。既存建物の建て替えであれば状況もだいぶ変わったようにも思われましたが、密集した都市であることによって生じた課題の一例となりました。

北側とはいえ、ふさがっている分の光の量は減ってしまいました。
[2005.09.16]








